NHK「きょうの健康」という番組で、
4月9日から4日間連続、『肩の痛み』について放送がありました。
テレビなどのメディアの情報は、原発問題も含め、
半信半疑で聞いておくくらいがちょうど良い
というのが私の持論です。
それにしても、さすがに昨日の、「手術で治す肩の病気」では、
どうしても黙っていられないことが、いくつかありました!
①けん板断裂の手術後のリハビリは、2~3か月かかるということ
これは、もともとの断裂サイズが小さく、手術前から痛みも少なく、腕の動きもそれほど悪くない方の平均期間です。こういう情報がもとで、沢山の患者さんが、「2~3か月で完治するんだ」と認識してしまいます。
しかし、実際、病院で手術説明を受ける際、断裂サイズが大きい場合や、痛み・可動域が悪い場合は、半年~1年かかることもあるという説明にショックを受けてしまうのです。
特に仕事をしている方で、「2~3か月なら・・・」と覚悟して手術を決心した方は、その気持ちを弄ばれているように思われるかもしれません。
けん板断裂に限りませんが、その症状の程度によって、治療・リハビリ期間に違いがあることを注意してください。
②石灰けん炎(正式には、石灰沈着性腱板炎)の手術後のリハビリは不要ということ
確かに、時々ごくまれに、リハビリが不要な方もいらっしゃいます。もう一度言います。ごくまれに、です。昔から、”石灰沈着性腱板炎は、肩の病気の中で最も痛い”と言われてきました。実際には、痛みのものさしは十人十色なので、一概には言えません。しかし、けん板に石灰が沈着すると、腕を動かすと痛いものですから、動かさない。もしくは、痛みが出ないような、普段とは違った腕の動かし方をする。そういったことが良くみられます。
そのような方々は、手術をした後も、筋肉が弱くなっているか、変な筋肉が硬くなっています。それをリハビリで修正してあげてはじめて、日常生活が楽になるのです。
石灰沈着性腱板炎の手術後も、筋肉の機能を改善させるリハビリが必要なのは、お分かりいただけたでしょうか?
③(補足)そもそも、リハビリは、家で例えると、リフォームと似ているのです。
家は年数とともに老朽化します。ヒトも加齢にともに体が老朽化してきます。
家の柱が老朽化でかなり傷んできたとします。そこで、家を建て替えたり、柱を取り替えたりするのが、ヒトでいう手術です。その柱の負担を減らすために、梁を直したり、基礎を直したりして、その柱以外の補強をするリフォームが、ヒトでいうリハビリです。
けん板断裂の手術後の運動療法は、けん板機能訓練だけではありません。体幹(胴体)など肩以外の部分の補強も、とっても大事なのです。
そもそも、運動療法(リハビリ)のコメントは、専門家である理学療法士などに任せて頂きたいものです・・・